Vol.86 _ 多気郡

相鹿瀬の家リノベーション

MESSAGE FROM 福田浩明(建築家)

熊野古道の東の玄関にあたる地域。勢和多気インターを降りて、高校生レストランでもしられる五桂池、その前を通り更に奥へすすむと相鹿瀬という地に至る。


築30年ほどのこの辺りで見かける田舎作りのお家です。すでにメーカーの御宅に住まわれていたのですが、手付かずになっていた隣の古家の改装をご夫妻の退職を期に決断。自然素材を使いそれまで味わったことの無い明るく広々とした風通しの良い空間を。そして、メーカーでは得られなかった心地良さを提案しました。


居間は南東に開放されたはき出しの開口部から自邸の庭を通し国束山を眺める。天井を取り払い屋根裏を開放することで、今まで人目に触れることのなかった威厳を持った丸太梁が現れる。この存在が重厚な瓦屋根をしっかりと支える安心感を与えてくれる。高くなった天井と開放された開口部の明暗は無垢の木材料の質感や漆喰と和紙の風合いと重なり合い格別の居心地を与えてくれる。


そして、パントリー付きの対面キッチンや、浴室から見える坪庭、広縁をタイルの土間に作り変え玄関とつないでみたり、2階への階段を居間からへのアプローチに等々ありとあらゆる居心地良さを具体的に作り上げた。改装とは今までの生活の反省改善だけでなく、期待以上の夢と驚きを確実なものにしてくれる。新築とは一味違った楽しみと感動がそこにある。

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