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今月のコメント
Vol.17は、三重県津市河芸「千里ヶ丘-U邸」邸を設計した、建築家:石丸信明先生からのメッセージをご紹介します。
 
 

初めて打ち合わせをさせていただいたのは、まだ結婚式をあげる前でした。設計の打合せは、一方では設計者の意図をご説明し納得していただく作業ですが、片方ではオーナーの具体的な生活のシーンを確定していく作業でもあります。もちろん、その段階では一緒に生活をされておられないので、お二人で具体的に決めていかれるのが大変な作業のように、お見受けしました。




 
 

元の家には、躙り口のある茶室があり、御影石の踏み石や、立派な梅の木がありました。敷地は、別の工事中の現場に近くでしたが、伊勢湾からたちあがってくる丘の頂部に位置するため、台風時の暴風対策の為に、東面の2階にはシャッターを取り付けています。

 
 


設計の打合せでは、かなり早い段階で、中庭を挟んだコの字プランの方針に決まりました。ガラス、金属、無機質的な色合いの中で、どこまで木のぬくもりを残すかを議論しました。視線の抜けを大切にしながら、元の家の一つの記憶である、和室に少し趣を凝らしています。

 
 

 

この家のオーナーの場合は、自分たちが生活を始める前から、自分たちの生活を組み立てたケースです。住宅の設計とは、生活を入れる器のイエを設計することですが、その前に白紙の状態で生活を設計することが、至極真っ当なことだと気づかせてくれます。寝室から見える中部国際空港に離着陸する飛行機も、夜空を彩どっているように見えることでしょう。LIFE FOR HERE。新たなる家族もここだけの生活を、楽しみながら育ってくれれば、私たちも、オーナーご夫婦も幸せなことでしょう。

   
建築家:石丸信明
建築家:石丸 信明

1957年兵庫県生まれ。
1993年ARX KOBE設立。
   
 
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