ASJ松阪・四日市スタジオ
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今月のコメント
Vol.12は、写真家、森 武史様からのメッセージをお送りします。
 
 

松阪・四日市スタジオの完成住宅撮影をさせていただいている森武史といいます。

私は10年程前からライフワークとして「熊野古道」を撮影しポスター・カレンダー・写真集・HP等に発表しています。熊野古道は都・高野山・吉野・伊勢などから熊野への険しい道であり、2004年に世界遺産に認定されました。
熊野古道の撮影で心がけている事は、誰もいない山中の古道を撮り、古(いにしえ)の旅人が流した汗や涙、何を見て何を感じたのか如何に写真に表現出来るかと言うことです。簡単に言えば、目の前の物体の姿を借りて、写っていない物を表現する行為なのです。


熊野古道
 
 

私が行う住宅完成写真の撮影は、ほとんどが完成直後なので家具など一切なく建物の中には空間しかない状態で行います。たとえば10畳のリビングを撮影する時にファインダーに写っているは壁・窓・床・天井だけでお気に入りのテーブルも可愛いソファーも大型の液晶TVも存在しません。その何もない10畳の空間の中にお客様と建築家、施工者の「想い」を表現するのが私の仕事だと考えています。
ですから撮影には余分な光(ストロボ等)は使用せず、極力その部屋の照明と外からの自然光で撮影するのです。眼で見えるよう写す「あるがまま」であり、カメラマン側からの余分な行為は控えています。

 
 

建築写真の醍醐味のひとつに夕景の撮影があります。
昼間のフォーマルな姿と日が落ち薄暮の頃に見せる妖艶な姿。すこしずつ弱くなっていく「自然の光」と、存在を見せ始めた「人工の光」の微妙な明るさのバランスがマッチする数分間。その魅力的な姿のなかに建築家の主張を見ることが出来ます。

 
  誰もいない出来上がったばかりの家。皆のチカラが結集された空間。
そこには、これから住まわれる御家族の会話・笑い声が聞こえて来るような気がします。そして私はその声を感じながら、そっとシャッターを切っているのです。
 
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