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今月のコメント
Vol.3は、三重県久居市の「東さくらが丘-S邸」邸を設計した、建築家:石丸信明先生からのメッセージをご紹介します。
 
 
   この計画は、まずオーナーが購入する候補敷地3つを一緒に見て回り、私なりの参考意見を述べさせて頂くところから始まりました。最終的に購入された土地は、今建物が立っているところですが、新しい開発されつつある造成地の中にあります。少し金額的に高かったのですが、西端に位置し山桜を家から見ることができ、又造成地特有の周りに家にかこまれてしまう閉息感がないのがいいと意見を述べさて頂いたように思います。
 
  具体的に住宅の設計の打ち合わせに入ると、奥さんが生活やデザインに対する自分なりのしっかりとしたセンスを持たれており、又御主人がその奥さんに全幅の信頼を寄せていることが解りました。私達の感性に対する信頼を感じながら、楽しく仕事を進めさせて頂きました。
 
  数案の提案を経て、かねてから私達が考えていたテーマ「日常生活の中に、外部空間の生活を組み込む事が出来れば、その敷地にしか出来ない生活をおくることができる」に辿り着きました。ルーバーにより外部からのプライバシーが確保されたデッキスペースを核とし、住宅全般を考えました。アイランド型キッチンは、このウッドデッキに向かって配置しました。奥さんが台所仕事をしている時も、光の変化を楽しみ、小さな子供を気にせず遊ばせる事ができます。又、この位置に立つと家全体の気配を感ずる事ができます。建物の配置は、このデッキスペースを中心に考えることにより、内部の採光、通風、プライバシーを確保し外部に対して少し閉じた外観となりました。オープン外構とし、防犯とコストのことを考え砂利敷きにしています。半屋外空間のサービスヤードを提案した際、逆に奥さんの方から洗濯機は、内部でなくそこで構わないと了解を頂きました。通常、利便性を優先し、洗面台と洗濯機が並んでごちゃごやしてしまうのですが、すきっとした洗面台を作ることが出来ました。
 
  LIFE FOR HERE。プライバシーが確保されたデッキスペース。家族の気配を感ずることができるキッチンの配置。外からの視線を気にせず、光や風の変化を楽しみながら「ここにしかない生活」を私たちは作りたいと考えています。アプローチに植えた株立ちのえごの木が育ち、初夏に白い花が咲き、一つ一つ家族の想いが重なっていく住宅であってほしいと願っています。
 
   
建築家:石丸信明
建築家:石丸 信明

1957年兵庫県生まれ。
1993年ARX KOBE設立。
   
 
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